認知症の症状は大きく分けて初期・中期・末期の段階があります。
認知症の症状がでた本人も一緒に暮らす家族にもさまざまな
支障がでてきますが、腹を立てたり本人に怒ってしまってはいけません。
認知症に対する正しい知識を持ち、正しく対処することでお互いに
よけいなトラブルを起こすことなく過ごしていくことができます。
認知症の初期
認知症の初期の初期は軽度認知症と呼ばれ何度も同じことを繰り返したりしますが、お風呂やトイレ、簡単な料理などは行うことができます。
認知症へ移行する前なので早期発見することで改善を期待することもできます。
認知症の初期症状としては
・ついさっき何をしたのか思い出せない
・買物へ行っても車を止めた場所が思い出せない
・帰り道がわからない
・食べたものを思い出せない
といった症状が現れます。
これまでなかったことが自分に起こっても、それを認めたくなくて
「あれ」や「それ」といった言葉でごまかしてしまいがち。
認知症が原因で失敗しても人のせいにしたり、
イライラをつのらせて怒りっぽくなったりします。
ひどくなると被害妄想もでてきて、財布を盗まれたと他人を疑い、
ちょっとしたことでも怒りっぽくなります。
また、身だしなみにも気を使わなくなったり、趣味をやめたり、何事にも興味を示さなくなり、ぼんやりすることが多くなります。
この段階で治療を始めることができれば認知症を最小限にとどめることができる可能性があります。
認知症の中期
中期になると意思の疎通も難しくなり会話も成り立たなくなります。
近いところの記憶からなくなっていき、今まで散歩していた道でも
迷子になるようになります。
料理などはできず、お風呂に入ってもどこを洗っていいのかわからず
お風呂を嫌がるようになります。
身の回りのことも自分ではできなくなり、トイレ以外で排泄するなど
家族にも負担がかかるようになってきて家族も含め日常生活を送ることが
困難になります。
認知症の後期
認知症の後期ともなると言葉も途切れ途切れになり、周りの状況に対する
反応や自発的な行動が鈍り、日常会話も難しくなります。
子供の名前だけではなく、自分のパートナーの名前、顔を認識することも
できなくなり意思の疎通が難しくなります。
何をするにも人の力が必要になりますので依存心が強くなりますが、
症状が進むと寝たきりになり、さらに症状が進んでいってしまいます。
まとめ
認知症は段階的に進んでいくもので近い記憶からなくなっていきますが、
怒られたことなど印象の強い記憶は残っていて、あの人は怖い人などの
感情は残っています。
それらの記憶が怒りとなって噴出することもありますので、
コミュニケーションをスムーズにするためにもお互いの信頼関係を
慎重に築いていく必要があります。